「――ヒトの感情とは実に理解し難い。」


私は半ば、涙を零しそうになっていた。
極卒はただ、私の話をじっと聞いてくれていた。


「悲しいよ。私は、・・・ヒトを、お前を、理解できないのだ」


もしかしたらもう泣いていたのかもしれない。
しかし私には、手を頬に当てて涙を確認するような勇気はなかった。
悔しかったのだ。私は、極卒を目の前にして泣いてしまうのが。


「傍にいたいと思った。一緒に居たいと思った。けれど、私は――」


人間じゃあないから。
その言葉をぐっと飲み込んだ。
自分で認めてしまうのが悔しくて恐ろしい。


「もうお前とは会えない。会わない。私はお前と共にいることが辛い。苦しくてたまらない。」


ああ、嘘なんだ、気づいてくれ極卒。
私はただ逃げているだけなのだ、お前を失うのがつらいから。
幾度となく大切な人を失ってきた。私にはそれが辛すぎた。

――いくら苦しんでも、私は救われない。


「すまない。・・・今まで、ありがとう」



「随分と、」


今まで黙っていた極卒が、突然口を開いた。
彼の方を振り向くと、彼は、私を睨み付けていた。


「随分と勝手に決めてくれたな。ヴィルヘルムよ。」


極卒は私の方へ歩いてくる。ゆっくりと、ゆっくりと。
自然と、彼の腰の刀に目が行く。
(ああ、あの刀で殺されてしまいたい。私は彼に殺されたい。)
極卒と私の距離は数センチしかない。彼は、冷たい目で私を見下している。


「私は、逃げる奴が大嫌いだ」


極卒の細く長い指が、私の喉に絡みつく。
ぎゅう・・・と弱く力が入る。


「苦しみから、困難から逃げる奴。自分を偽る奴。・・・大嫌いだ」


鼻と鼻が触れ合う位、彼の顔が近くにある。
全てを見透かされているようだった。いや、彼は私の全てを見透かしているのだ。


「お前はわたしの物だ。逃げることは許さない。抵抗することは許さない。
嘘をつくことを許さない。言い訳することを許さない。」


首をきつく締め上げられる。ぎりぎりぎりぎり
殺されたい。このまま死ねるのならどれだけ幸せだろうか。


「お前は私の事を理解する必要などない。ただただ私に従え。そして、」


突然、私の首を絞めていた極卒の手が離れる。
私はすとん、とその場にへたり込んでしまう。


「・・・そして、傍にいればいい。安心しろ、私が死ぬとき、お前を殺してやろう」






「くくく、くくくくく!」


私は笑うしかなかった。
この男は、この男は、私が永い時を掛けて悩んできたすべての事を一瞬で払拭してみせた。
(わたしは、ばかだ)



極卒がいなくなった部屋で、私は静かに泣いた。





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えーと色々とすいません。意味不明ですいません。
とにかくヴィルたんはやたら長生きしてきたので、「もう大切な人が死ぬとこ見たくない」って
訳で極卒君に別れ話を持ち出したんですね。適当な言い訳を考えて。
でも極卒君にはすべて見破られてしまったと。そして「殺してやるから安心して俺についてこいよ」みたいな。
ごめんなさい意味不明ですいません。


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危様から頂きました。ポプで極ヴィルです(強調)
彼女の書かれる丁寧で落ち着いた雰囲気の文章が好きなのでこんなに素敵な極ヴィルssを日記で頂いた時は思わず心臓が飛び出そうになりました。
(一応、極なの絵と交換という条件で頂いたものですが)
危さん、本当にありがとうございました!

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