人の叫び声


悲鳴


銃声


爆発音


戦場独特の臭い



Call Call



十代目じきじきの機密命令により獄寺は遠方の町を調査しに向かった。

そして無事任務を終えた帰路のこと。

きっかけはある町で男同士の喧嘩を部下が止めたことから。

声を掛けた瞬間、部下の眉間をぶち抜かれたのを合図になくていい戦いが輝かしく幕を開け今に至る。

準備の良さといいこの人数といい明らかに明らかに計画的なものだろう。


バタバタと肉の塊が落ちていく中、今だ反発し続ける敵にボムを投げる。

さっきからベタベタと体じゅうに張り付く粉参した脂肪が近くに焼死体があること鮮明に表す。


(嫌な気分だ・・・)


こんなの無駄な戦いだ・・・

だからこそ、こういった戦いは好まない。

失われなくていい命が消えて行くから。


昔はこんなこと考えずによくボムを無駄に投げていたものだ・・・

十年も前のことだけど・・・

あの頃はまだ青いガキででも楽しかったな

殺しなんてしなくてすんだし

でもあの人を守るために選んだ道だ

だからこそ必然に何もかも、変わってしまったけど















「うわぁぁぁぁぁ!!!」





意識が現実に引き戻される。

今は交戦の真っ最中で感傷に浸ってる場合じゃないというのに。


(やっぱもう少し寝とけばよかったな)


この任務の前も徹夜続きの獄寺。

この一週間の睡眠時間は合計しても4時間を満たしているかさえ危うい。

集中力も微妙に掛けてきている。

気を劣りなおし今の現状を見ると若干こちらが押されているようだ。


「やべっ・・・!!」


戦闘態勢に入りボムを構える。


この時、睡眠時間が掛けていたことも有るが

幾度も死線を越えてきた獄寺は心のどこかで油断していた

故に、後ろに回りこんだ刺客に

気付けなかったんだ・・・



そう、一番変わってしまったのは



俺だ・・・











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部屋の窓から空を見た・・・


最近、室内に篭りっきりだったし、わざわざ外を見ようとも思わない。


久しぶりに見た青い青い空は


いつになく新鮮で


キレイで


眩しかった



「いい天気・・・」

「今日の降水確率は0%だからな」



いつの間にいたのか小さな小さな家庭教師が言う。

「小さい」といっても小学生の高学年くらいで身長はもうすぐ俺を追い越しそう。

そしていつも何の前触れもなく突然現れるのが特徴。


「ノックぐらいしてよ」

「返事しなかったのはどこのどいつだ?どうせまた昼寝して今さっき起きたってとこだろ」


ツナは、あはは・・・と誤魔化すように笑う。

なんでこうも鋭いんだろ?


「まったく・・・相変わらずダメツナだな。

外眺めて一言呟いてる暇があればこれ片付けろ。」


と、ディスクの上に山積みになっている書類を叩いて見せる。


こんなのたった一日で片付くはずないじゃないか・・・

リボーンじゃあるまいし。


「それと今夜の会議に出席することになった。よろしくな。」

「はぁ!!?聞いてないよ!!」

「今言ったじゃねぇか」


そういうことじゃなくて と講義しようとしてやめる。

どうせこの人は何言ったって俺を引きずってでも議会所に連れて行くだろう。(事例有り)

それよりも今は会議の前にこの書類が片付くかどうかだ。


「隼人がいればなぁー・・・」


ポツリとそんなことを言ってみる。

自分の最愛の人の名前を。


「あいつは今、遠方か・・・」

「そうだよ。早く帰って来てくれればいいのに。最近あんまり寝てないって言ってたけど大丈夫かな?」

「ほー・・・昨夜も仲良く電話か」


ギクッとツナの体が揺れる。

どうやら図星らしい。


「ほ、報告の電話があってその時に「ただの報告を獄寺は2時間も語り続けるわけねぇよな?」


あっけなく撃沈・・・

ホントなんでこう余計なとこ見てるかなぁ

めそめそと沈むツナを見てリボーンは


「・・・たくっ獄寺の代わりに手伝ってやるからそうしょげるな」


そう言うとツナは顔を上げて


「ホント!?さすがリボーン!」


などと言う


「バーカ。俺が獄寺みたいに優しいと思うなよ。スパルタだスパルタ

それとこれはツケだからな」


えーっと叫ぶツナをよそに微妙にやる気なリボーンでした。




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ハァ・・・ハァ・・・





傷口を押さえながら死体の中を、ただ黙々と歩き続ける獄寺。


視界が歪む・・・

足も動かなくなったきやがった




もうダメかもな・・・




一番近い壁に持たれかかる。

腹部からは容赦なく血液が流れ止まる気配がない。


あの時、もっと早く刺客に気付けなかったのが誤算だった。

気付いたときには既に遅く、急所は避けたが致命傷は外せなかった。

その後も戦闘は続き、戦ったが記憶はあまり残っておらず・・・

気付いた時にはもう終戦していた。


あーぁ・・・こんな戦いさえなければさっさと十代目に元に帰れたのに。


体内から血が抜けていくのを傷口に手を置くことでリアルに感じる。

このままだと確実に死ぬだろう・・・


よく言うな

死ぬ前に今までの出来事が見えるって・・・

見えないじゃないか

何一つ・・・

その代わりに俺の思考を支配するのはやっぱり十代目。

思えば思うほど会いたくなるものだ





その顔を・・・笑顔を・・・姿を・・・





一度でいい・・・






声だけでも・・・








ポケットから携帯を取り出した。

そして拙い動作でボタンを押し操作する。



これは外道だ・・・


反則だ・・・


死に際に愛しい人へ電話をかけるなんて


もし戦争時代にこの便利な機械があったら


俺みたいに瀕死の奴が死に際に愛しい人に電話するんだろうな・・・


掛けられた人の気も知らず・・・


そんな死にかけの奴からの電話、相手にとってはつらいだけだと知っている



それでも・・・・・・一言でいい・・・・・・



一言だけでいいから・・・



自分勝手な俺をお許しください・・・






ディスプレイに写る名前と電話番号。

あとはボタンを一つ押すだけ

でも躊躇してしまうのはやはり罪悪感からなのか





ピッ!




プルルルル・・・プルルルル・・・




『はい沢田です。ただ今、所要で電話に出ることが出来ません。掛け直すかメッセージを入れてください』



















「ははは・・・・・・・・・あははははははははは  ゲハッ!」



ゴホゴホと血を吐く。

もう終わりが近い。

あれだけとまどって結果がこれだ。

笑い他ないだろ?

自分勝手な俺に神さえバ見下してんのか?

でも聞けた・・・

どういう形であれ十代目の声を聞くことができた・・・

幸せ

もう満足だ・・・


眠い・・・


そういや全然寝てなかったっけ?


少し寝よう・・・


そう、獄寺は瞼を下ろした







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「はぁ・・・」


やっとくそつまらない会議が終わりため息を一つ。

そりゃ会議までの時間、リボーンにみっちり扱かれ(書類の片付けは終わったが)

休みなく3時間長ったらしい議論を聞かされればため息の一つも付きたくなる。

ポケットから携帯を取り出しディスプレイを見ると着信が一件。

誰かと思えば隼人からだった。



時間も時間なので迷惑かもしれないがリダイアルのボタンを押してみる。



プルルルル・・・ プルルルル・・・



一向に出る様子なく鳴り続ける接続音。

(やっぱりもう寝てるか・・・)













♪ ♪ ♪ 〜






着信音が鳴り響く。

ケータイから流れる機械音は獄寺の脳に届くことなく耳を通り抜ける。

開いたままのそれから音が消えたのはまもなくのこと。














ガチャッと無機質な音を立てて閉じる携帯をじっと見つめる。


(まぁ・・・明日掛けなおしてみよう・・・)


そう思い携帯を元の場所にしまった。





end。。。


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甘夏様のところからキリリクとして頂きました。
リクで『獄ツナでお願いします』と言ったところ、こんなに切なくて素敵なssが・・おまっ、
ご く で ら ・・・!(涙)
続きが気になるところなのでいつか続きを書いて下さらないかな・・・と(ボソリ)
甘夏さん、本当に素敵なssをありがとうございましたっ!

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